ジブリ映画「風立ちぬ」に登場したお菓子「シベリア」。
現在ではなじみのない、そのお菓子に興味を持った方は多いのではないでしょうか。
今回はそのシベリアについて作り方や誕生秘話にまつわる雑学をまとめました。
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シベリアってどんなお菓子?
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d1/Siberia.jpg/375px-Siberia.jpg)
シベリアはカステラに羊羹を挟んだ和洋折衷菓子です。
明治後半から大正時代に誕生したと言われ、昭和初期には子どもの好きなお菓子の代表格と言われるほど人気がありました。
大正時代から昭和初期の日本を舞台にしたジブリ映画「風立ちぬ」にも当時の時代を象徴する食べ物として登場します。
その特徴は製法にあります。
シベリアはスライスした羊羹をカステラで挟んだのではなく、羊羹を固める型にカステラを敷き、そこに羊羹を流し込み固まる前にカステラを乗せるという製法で作られています。
この製法によりカステラと羊羹が密着しているのが特徴です。
ただこの製法は羊羹を自前で作成したり、固まる前のタイミングを見計らう必要があるため技術と手間を要します。
現在あまりシベリアを見ることがなくなったのは、この独特な製法が関係しています。
シベリアはどこで買えるの?通販で買える?
現在あまり販売されているところを見かけないシベリアですが、山崎製パンで作られているようです。
この山崎製パンのシベリアはローソンで販売されているようで、筆者も一度、見かけて購入したことがあります。
また、ネット通販で販売している菓子店もあるようです。
楽天市場で購入できるものを、いくつか紹介したいと思います。
▽通販で購入できるシベリアはこちら
① 彩雲堂「あかね雲」
羊羹部分に栗が入っています。
② 風流堂「風と森のシベリア」
こちらは通常のシベリアのほかに、いちご味の生地にカカオ餡の食べ比べができるセットです。
③ 中村菓子舗「シベリア」
こちらは静岡県島田市のふるさと納税の返礼品でシベリアがもらえます。
紹介した中では一番スタンダードなタイプです。
シベリアの名前の由来
シベリアの名前の由来は諸説あり、どれが正しい説なのかは明確になっていません。
ではひとつずつその説を紹介していきたいと思います。
「シベリアの永久凍土が由来」説
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シベリアは羊羹が挟まれており、その羊羹が特有のひんやりした食感を生み出します。
その食感をシベリアの永久凍土に見立てて名付けられた説です。
羊羹を永久凍土と表現するにはやや大げさに感じますが、冷蔵庫があまり普及していなかった当時ではぴったりなネーミングだったのでしょう。
「シベリア鉄道が由来」説
![](https://cdn.pixabay.com/photo/2020/05/25/19/57/trans-siberian-railway-5220319_640.jpg)
明確な定義はありませんが、シベリアは羊羹の層が2層になったものが多く見られます。
その断面がシベリアの雪原に敷かれたシベリア鉄道の線路に見立てて名付けられたという説です。
シベリア鉄道の建設が開始されたのは1891年です。
これはお菓子のシベリア誕生の時期と重なり、当時の世界的ニュースに便乗して名付けられた可能性も十分考えられます。
「日露戦争に出征する乃木将軍のために作られた」説
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9c/Maresuke_Nogi%2C_%E8%BF%91%E4%B8%96%E5%90%8D%E5%A3%AB%E5%86%99%E7%9C%9F_%E5%85%B61_-_Photo_only.jpg/300px-Maresuke_Nogi%2C_%E8%BF%91%E4%B8%96%E5%90%8D%E5%A3%AB%E5%86%99%E7%9C%9F_%E5%85%B61_-_Photo_only.jpg)
シベリアは日露戦争に由来するという説もあります。
川崎市のホームページにシベリアに関する興味深い記述がありました。
明治後期の日露戦争時、乃木将軍がシベリアの戦場へ出征する際に、上野・永藤パン(現在は閉店)の職人が甘党だった将軍に「何かを持たせたい」と思案した末、カステラに羊羹をサンドしたものを考案、シベリアの地で食した乃木将軍はとても気に入ったと伝えられる。
出典:かわさき区の宝物シート「シベリア菓子」
羊羹は現在でも登山やサイクリングの携行食として使用されており、説得力がある説です。
乃木将軍は東郷平八郎と並ぶ日露戦争の英雄であり、英雄にあやかって名付けたというのも信ぴょう性があります。
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