漫画「ワンピース」や映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」などフィクションの世界で描かれている海賊たち。
彼らの中には実在した人物がモデルとなっていることもあります。
筆者は漫画「ワンピース」が好きなので、今回は実在した海賊とワンピースのキャラクターとの関係について詳しく調べてみました!
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大航海時代に実在した海賊たち
ヨーロッパ諸国が植民地との貿易で海運が発達したことから海賊も誕生し、1650年から1730年までは「海賊の黄金時代」と呼ばれるほど有名な海賊がたくさん活躍しました。
この時代は歴史上でも「大航海時代」として有名です。
ではその時代に活動した海賊たちを紹介していきたいと思います。
ヘンリー・モーガン
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/7f/Admiral_Sir_Henry_Morgan_%281635%E2%80%931688%29%2C_Lieutenant_Governor_of_Jamaica.jpg/330px-Admiral_Sir_Henry_Morgan_%281635%E2%80%931688%29%2C_Lieutenant_Governor_of_Jamaica.jpg)
ヘンリー・モーガンは17世紀後半にジャマイカを拠点に活動した海賊です。
イングランド政府から私掠免状を受け、スペイン船から強奪行為を繰り返しました。
私掠免状とは戦争状態にある国の政府から敵国の船舶を襲う許可のことで、海賊行為の政府お墨付きのようなものです。
このヘンリー・モーガンは晩年にはジャマイカの代理総督となり、イングランド王室から男爵の称号を与えられました。
そんな縁もあってか、ヘンリー・モーガンはジャマイカの名産品であるラム酒の銘柄にもなっています。
「キャプテン・モルガン」というラム酒で、ネット通販で買えるメジャーな銘柄です。
また、ジャマイカを代表するレゲエ歌手のボブ・マーリーはザ・ウェイラーズと組んでリリースした「YOU CAN’T BLAME THE YOUTH」という曲の歌詞でヘンリー・モーガンのことを歌っています。
ジョン・ホーキンス
ジョン・ホーキンスは16世紀のイギリスの海賊です。
スペインの無敵艦隊によるイングランド進攻「アルマダの海戦」で活躍した実績を持ちます。
ジョン・ホーキンスは奴隷貿易と海賊行為で名を挙げ、イングランド女王エリザベス1世やスペイン国王フェリぺ2世から信任を得るなど政治家としての顔も持っていました。
先ほど紹介したボブ・マーリーの歌の中にもヘンリー・モーガンとともに歌われています。
漫画「ワンピース」ではジョン・ホーキンスから名前を取ったと思われる「バジル・ホーキンス」という海賊が登場しています。
フランシス・ドレーク
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e7/Francis_drake.jpg/300px-Francis_drake.jpg)
フランシス・ドレークは先ほど紹介したジョン・ホーキンスのいとこです。
フランシス・ドレークもまたイギリスの海賊であり、イングランド人として初めて世界一周を達成した人物でもあります。
その功績からイギリスでは英雄とされていますが、海賊行為の被害を被ったスペインでは悪魔の化身であるドラゴンを指す「ドラコ」と呼ばれています。
アルマダの海戦では海軍提督としてイギリス艦隊副司令官に任命され、スペイン艦隊を壊滅させました。
「ワンピース」に登場する「ディエス・ドレーク」のモデルとされ、名前だけではなく海賊でありながら海軍所属という肩書もフランシス・ドレークを彷彿させます。
エドワード・ティーチ
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実在した海賊で最も有名であろうと言われているのが、18世紀前半にバハマを拠点に活動したエドワード・ティーチ(別名:エドワード・サッチ)です。
エドワード・ティーチはその黒いあごひげをおさげのように編み込んだ特徴的なあごひげをたくわえており、そこから「黒ひげ」の二つ名で呼ばれていました。
その特徴的な風貌は映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の主人公「ジャック・スパロウ」のモデルとなったと言われています。
またわずか5、6日間で9隻の船を拿捕するなど、その略奪のすさまじさから伝説化され、後世の海賊のイメージに大きな影響を与えました。
「ワンピース」では同じく作中で黒ひげと呼ばれている海賊「マーシャル・D・ティーチ」のモデルとされています。
また他にも作中に登場する海賊「エドワード・ニューゲート」と「サッチ」の名前はエドワード・ティーチから取ったものだと思われます。
ワンピース好きの余談
漫画「ワンピース」の作中ではマーシャル・D・ティーチ、エドワード・ニューゲート、サッチは全員海賊で、深い因縁を持つ関係性です。
そんな3人の名前がエドワード・ティーチという1人の海賊から取られたという事実がワンピース好きとして非常に興味深い!
ジョン・ラカム
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b3/Rackham%2C_Jack.jpg/330px-Rackham%2C_Jack.jpg)
ジョン・ラカムは18世紀にカリブ海を中心に活動していた海賊です。
ラカム海賊団には女性海賊として有名なアン・ボニーやメアリー・リードが乗船していました。
ラカム海賊団の海賊旗はドクロに交差させた剣を描いた特徴的なデザインです。
![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/47/Pirate_Flag_of_Jack_Rackham.svg/330px-Pirate_Flag_of_Jack_Rackham.svg.png)
海賊旗と聞いてイメージするのはこのラカム海賊団の海賊旗を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
またジョン・ラカムはキャラコ(白木綿)の服や帽子を愛用する伊達男だったことから、「キャラコ・ジャック」の二つ名を持ちます。
「ワンピース」では「キャラコのヨーキ」というジョン・ラカムと同じ二つ名を持つ海賊のキャラクターが登場しています。
アン・ボニー
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アン・ボニーは18世紀にカリブ海で活動した女性海賊です。
先ほど紹介したジョン・ラカムとバハマの居酒屋で出会い、当時人妻だったアン・ボニーはジョン・ラカムと恋に落ちて駆け落ちしました。
駆け落ちしたアン・ボニーはジョン・ラカムの船に男装して乗り込み、海賊として名をあげていきました。
ラカム海賊団の船が捕らえられたときは怖気づいて船倉に逃げ込んだ男性乗組員をよそにメアリー・リードとともに最後まで甲板で戦ったというエピソードが残っています。
「ワンピース」では「ジュエリー・ボニー」という女性海賊のキャラクターが登場しますが、このキャラクターはアン・ボニーがモデルであるとされています。
メアリー・リード
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メアリー・リードもまた有名な女性海賊です。
男装して海賊として活動していたところを、同じく女性海賊のアン・ボニーに口説かれたことをきっかけに2人は知り合い、のちに2人ともジョン・ラカムの海賊船に乗ることになりました。
男装したメアリー・リードはハンサムだったようで、アン・ボニーはジョン・ラカムという恋人がいたにもかかわらずメアリー・リードに言い寄ったそうです。
そんなメアリー・リードには同じ海賊船に恋人がいました。
強い相手と決闘することになった恋人を救うため、メアリー・リード自身が恋人より先に相手と決闘して勝利することで恋人の命と名誉を守ったという情に厚い人柄がしのばれるエピソードが残っています。
バーソロミュー・ロバーツ
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バーソロミュー・ロバーツは18世紀にカリブ海からブラジル、さらに西アフリカに渡る広域で活動しました。
「ブラック・バート」の二つ名を持ち、海賊史上最も成功した大海賊と評されています。
その海賊団の規模は20隻もの海賊艦隊を率い、その実績は1719年から3年間で400隻の船を拿捕したと言われています。
バーソロミュー・ロバーツはハンサムでおしゃれな海賊でした。
好んだ服装は真紅の宮廷用半ズボンに飾り帯を着け、オーバーコートを羽織り、紅の羽を飾りつけた三角帽子をかぶり、ダイヤモンドを散りばめた十字架を金のチェーンで首から下げるというスタイルでした。
この服装は「ピーターパン」に登場する「フック船長」のモデルになったとも言われています。
「ワンピース」ではバーソロミュー・ロバーツから名前を取ったと言われている「バーソロミュー・くま」というキャラクターが登場します。
ワンピース好きの余談
バーソロミュー・ロバーツの海賊団には戦利品の配分や船上での過ごし方について細かい掟が決められていました。
その中に「安息日には休息してもよいが讃美歌を推奨」という熱心なキリスト教徒を思わせる掟があります。
「ワンピース」に登場する「バーソロミュー・くま」はBIBLE(聖書)を持っている描写がされており、尾田栄一郎先生のキャラクター設定の細かさに感動しました。
ウィリアム・キッド
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ウィリアム・キッドは17世紀に活躍した海賊です。
その活動範囲は広く、アメリカからアフリカ大陸を周ってマダガスカルやインド洋まで到達した記録が残っています。
ウィリアム・キッドは何といっても「キャプテン・キッドの財宝」と呼ばれる隠し財宝伝説が有名です。
これはウィリアム・キッドが逮捕される前に財宝を埋蔵し、財宝の一部はまだどこかに埋蔵されたままであるという伝説です。
このエピソードは「ワンピース」に登場する「ゴール・D・ロジャーの残した”ひとつなぎの大秘宝”」のエピソードを彷彿とさせます。
また作中に登場する海賊「ユースタス・キッド」はウィリアム・キッドから名前を取ったと言われています。
エドワード・ロー
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エドワード・ローは18世紀前半にカリブ海などで活動した海賊です。
海賊としての活動期間は3年間ほどですが、少なくとも100隻の船を拿捕し、そのほとんどを燃やしたと言われています。
エドワード・ローはその残忍さが有名で、その残忍な人柄をあらわすエピソードが数多く残っています。
たとえばエドワード・ローは捕らえた敵を殺す前に過酷な拷問を行うことで有名でした。
また、怒っているときだけではなく上機嫌なときでも人を殺すことがありました。
その残忍さは「シャーロックホームズ」の作者であるコナン・ドイルが「野蛮で絶望的、驚くほど野蛮でグロテスク」と評しているほどです。
「ワンピース」では「トラファルガー・ロー」という海賊が登場し、エドワード・ローから名前を取ったと言われています。
ワンピース好きの余談
「トラファルガー・ロー」の本名は「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」です。
前述したエドワード・ローから取った部分以外にも、実在した世界史上の史実からネーミングされた部分があります。
「トラファルガー」の部分はイギリスとフランスとの間で勃発したナポレオン戦争でイギリスが勝利をおさめた「トラファルガー・の海戦」から取られたと言われています。
また「ワーテル・ロー」の部分はナポレオン戦争でナポレオンが敗北した「ワーテルローの戦い」から取られたと言われ、全体的にナポレオン戦争と縁のある名前です。
「ワンピース」好きが実在した海賊を調べてみた感想
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今回実在した海賊を調べた結果、その海賊の多くが「ワンピース」に登場するキャラクターのモデルになっていたり名前の由来になっていたことに驚きました。
また「ひとつなぎの大秘宝」と「キャプテン・キッドの財宝」のように実在するエピソードをもとにした設定やストーリーが作中に登場し、尾田栄一郎先生の知識の幅広さ、そのストーリーの構成力に改めて感動しました。
今回紹介した雑学を知れば、漫画「ワンピース」がより一層楽しめると思います!
一気読みしたい方は全巻セットもおススメです!
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