「セムラ」というお菓子を知っていますか?
漫画「ワンピース」に登場したことで一気に有名になったこのお菓子は実在するスウェーデンの伝統菓子です。
今回はセムラについて詳しく解説していきたいと思います。
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スウェーデンの伝統菓子「セムラ」とは
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セムラとはカルダモンというスパイスを練りこんだパンの上部を切り取り、下部の中身をくり抜いて、その中にアーモンドペーストと生クリームをたっぷり詰めたお菓子です。
スウェーデンではキリスト教徒が多く、セムラもキリスト教のイースターにちなんだ伝統菓子です。
キリスト教ではイースターの前の40日間を四旬節と呼び、その期間は肉や卵を断って贅沢な食事を控えます。
厳格なキリスト教徒の方だと、この四旬節の期間に断食を行います。
その断食に入る前の火曜日に高カロリーなものを食べて断食に備えるため、甘いクリームたっぷりのセムラを食べる習慣が生まれました。
セムラとマリトッツォの違いは?
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セムラと似たお菓子としてイタリアのマリトッツォが挙げられます。
2021年頃に日本でも話題になったマリトッツォはご存じの方も多いでしょう。
両方ともパンにクリームを挟んだお菓子ですが、その違いをまとめてみました。
セムラ | マリトッツォ | |
パン生地の特徴 | カルダモンが練りこまれている | オレンジピールが練りこまれている |
クリームの特徴 | アーモンドペーストと生クリーム | 生クリーム |
食べるシチュエーション | 四旬節の前 | 朝食の定番 |
生地やクリームが濃厚なセムラに対してマリトッツォは軽めです。
最大の違いは食べるシチュエーションでしょう。
特別な行事の時に食べられるセムラに対し、マリトッツォは日常食という位置づけです。
似たお菓子ですが、その立ち位置の違いが最大の特徴と言えます。
漫画「ワンピース」作中でのセムラ
ここで漫画「ワンピース」の作中でセムラがどのように描かれていたか見ていきたいと思います。
作中では女海賊ビッグマムの大好物として登場したセムラ。
本家スウェーデンのセムラに似た特徴が描写されていたのでまとめました。
- 断食期間の前に栄養をとるために食べるお菓子
- パン生地に生クリームをはさみ、上から粉砂糖をかける
- 断食後のお祭りは「死と復活」の祭り
見た目の描写も食べるシチュエーションもスウェーデンのセムラとそっくりです。
作者の尾田栄一郎先生は実在した海賊をモデルにキャラクター設定を行うなど知識が豊富な方のため、このエピソードもスウェーデンのセムラを参考にしたのでしょう。
ちなみにNHKで放送されている「グレーテルのかまど」でもワンピース作中に登場するお菓子としてセムラを取り上げていました。
グレーテルのかまどのサイトではセムラの作り方も紹介しています。
工程ごとの写真入りでわかりやすく、おすすめです。
セムラは日本でも手に入る?
セムラは日本ではまだ馴染みがなく、購入できるお店情報も少ない状況です。
ただ、スウェーデンの家具メーカー「IKEA」では毎年1月ごろにセムラを販売しているようです。
ご興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
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